弊社が原告となった虹彩占い訴訟につき、株式会社テレマンコミュニケーションズ(以下テレマン)のソフトの無断使用について、知財高裁まで控訴しましたが、本件につき裁判所は著作権侵害の損害論にて判断するため、損害の立証について訴訟に今後も多大なエネルギーが必要とされる見通しでした。
よって、訴訟に無益な時間を費やすよりも、今後の虹彩占いの展開に時間を割くべきと判断し、2008年の8月にテレマンと和解しました。
尚、先行するテレマンの関連会社のアイリテック株式会社による同ソフト無断使用についての支払督促事件については、当方の主張を先方が全面的に認めたために和解しました。
さて、上記事件には著作権に関する重要な要素が含まれていたため、ここに記させて頂きます。
弊社は共同事業という観点で、テレマンにカメラを利用する事業計画を承認し、無対価にてテレマンに虹彩占いソフトを供給しました。しかるにテレマンはメディアリンクス株式会社(以下メディア社:当時ヘラクレス上場)に弊社の虹彩占いプログラムを組み込んだ虹彩占いマシンを提示し、無断で独占契約を結び、多額の対価を得ましたが、弊社へのソフト供給の対価の支払いはありませんでした。弊社は実際にメディア社が弊社の製作したソフト(入力画面から虹彩占い結果表示まで)を本件機器のディスプレイ上の操作を確認した上で販売契約を結んだ点を考慮し、本件機器における本件プログラム及び本件イラスト等の寄与割合相当分について、テレマンに不当な受益がある点から、不当利得返還請求を行いました。
テレマン被告側の主張は、弊社の虹彩占いソフトは今後すべて変更する予定であり、その点もメディア社も了解済みであったので、メディア社とテレマンとの独占販売契約に対する、弊社の寄与はないとの主張でした。その後メディア社は破産したため上記の確証を先方に問い合わせてることも出来ませんでした。
地方裁判所の判断は「被告がメディア社から受領した1億7000万円は,本件プログラム及び本件イラスト等を含む本件機器全体について独占的販売権を設定したことによって得られたものである。」とし、虹彩占いプログラム及びイラスト等の著作権については確認したものの、被告とメディア社との間の販売代理店契約関係では提供製品の中に本件プログラムの組み込みまでも認めたものとはいえず、そもそも本件プログラムやイラストが独占的販売権の対象に含まれていなかったとして、被告の受益を認めず不当利得は成立しない」と判断しました。 ただ虹彩占いソフトの著作権はエンドレスにあると認定されたのでメディア社が本事業を実際に行う場合はエンドレスの許諾が必要となします。しかしながらメディア社は事業を開始することなく破産し、その債権者も結局、テレマンコミュニケーションズへの代金返還請求も行わず、契約の対価はすべてテレマンコミュニケーションズの利益となりました。
この判断を平たく解釈すると、他人のプログラムを利用してのプレゼンテーションや販売契約(後日提示したプログラムを変更する条件にて)を結ぶことが可能になります。たとえ著作権を侵害しても損害を与えなければ、利用可能です。今回はメディア社との独占販売契約についても、当方に提示されていない両者間の契約内容を吟味し、当方の寄与の証明を原告側が行う必要が生じます。
簡単な例示をすると、A社がB社の編集ソフト及びハードの独占販売契約交渉のため、PCにて販売先のC社にてプレゼンを行いその結果、独占販売契約を結んだとします。A社は契約後に、無断で使用したB社の編集ソフトを似て非なるソフトに変更して契約を継続することが可能です。
事件経緯
2002年
12月 エンドレス「虹彩占い」の商標申請
2003年
2月 5社協定契約書締結「テレマンコミュニケーションズ、G&W、アイリテック(日本) アイリテック(米国)、エンドレス」分業にて虹彩占い事業開始
3月 本件プログラムを組み込んだ本件機器6台製作
プロモーション開始(平成16年1月頃まで)
4月 メディアリンクス社の営業部長がテレマンコミュニケーションズ来社
虹彩占いソフトを体験
他社には秘匿し、テレマンコミュニケーションズが単独でメディアリンクスと
「アイフォーチュンの販売権に関する基本合意書」締結
5月 メディアリンクスがテレマンコミュニケーションズに独占販売権の対価として
5社協定契約書締結中に1億7000万円を支払う
エンドレスに5社協定合意解約要請その後エンドレスは5社協定解約合意
7月 メディアリンクスと「独占的販売代理店契約書」
8月 メディアリンクスと「基本合意」「独占的販売代理店契約」合意解約
2004年
5月 エンドレス「虹彩占い」の商標登録
7月 エンドレス「アイフォーチュン」の商標登録 虹彩チャート図意匠登録
2006年
3月 テレマンコミュニケーションズに調停の申し立てするも先方が応じず不成立
12月 ソフトの無断利用につき、テレマンコミュニケーションを告訴
2008年
2月 地方裁判所判決(上記参照)
4月 知財高裁に控訴
8月 高等裁判所にてテレマンコミュニケーションズが和解金を支払うことで和解
2009年
4月 株式会社アイリテックのエンドレスへの和解金支払い完了
2010年現在、自社開発したカメラシステムにより、虹彩占いを展開しております。